フランス人はみんなワインに詳しい、そう思っていました。
実際に住んでみると、そうではありませんでした。
産地はどこか、どんな葡萄を使っているか、醸造方法はどうか。
そういう話をしている人を、日常の中でほとんど見たことがありません。
「どんなワイン?」と聞くと、たいてい返ってくるのはこんな答えです。
「知らないけど、この前飲んで美味しかったから。」

一度、友人がこんなことを言っていました。
「ロゼって赤ワインと白ワインを混ぜればロゼでしょ?」
知識としては間違っています。
でも、それくらいの気軽さでワインと付き合っている、ということだと思います。

フランス人がワインについて語るとき、話すのは理屈より好みのことです。
「これは好き」「これは自分には重すぎる」「あのレストランで飲んだやつが美味しかった」、、、
難しいことを知らなくても、自分の感覚をちゃんと持っていて、それだけで十分、という雰囲気がありました。
日本ではワインというと、少し身構えてしまう方も多いかもしれません。
「詳しくないから」「何が良いかわからないから」と、手が伸びにくくなる気持ちは、よくわかります。
でも、気楽に考えてもらいたいです。
詳しくなくていいのです。
「なんか好き」「飲みやすかった」「香りが良かった」、、、
それで十分だと、私は思っています。
お気に入りの一本を、まず一本だけ開けてみてください。


