私がワインのご案内をしていて、一番多く受ける質問は
「ワインってどういう風に選ぶのがよいですか?」
という質問です。
よく「国や産地で選ぶ」「価格で選ぶ」「葡萄の品種で選ぶ」などと聞くかと思いますが、なかなか難しいのでは?とよく思います。
なぜならワインは同じ葡萄でも国や産地が違えば全く違った味わいになりますし、同じ産地、同じ葡萄でも造り方が違えば全然違うワインになります。
そもそも、ワインに詳しくないお客様は葡萄の品種の特徴、産地の特徴もわからないからワイン選びが難しいと感じるのだと思います。
ワインは「土壌」「お天気」「葡萄の種類」「生産者」の4つの要素で味が決まると言われています。
なので知らないワインを品種だけ見て購入したり、産地だけを見て購入すると、自分の好みとはちょっと違った…
ということがよく起こります。
私はとにかく自分の好みを1つずつ確認していくのが良いのではないかと思い、お客様へのご案内も一つずつ確認をしていきます。
(私のやり方ですし、ソムリエさんがワインを選ぶのとはまた違い、お客様がワインを選ぶ際の少しの参考になればという感じで、今回はさっくりと書きます。)
①すっきりさらっと飲める軽いタイプ?しっかりと飲み応えがあるタイプ?
軽いタイプはアルコール度数が低いライトボディのワイン、逆にしっかりと飲み応えがあるワインは、アルコール度数のしっかりとしているふくよかなフルボディのワインを選びます。
ライトボディは味わいが落ち着いていて香りがフレッシュな感じ、すっきりと飲めるものが多く、逆にフルボディになるにつれ味わいが強く香りもリッチになり、しっかりと飲み応えのあるワインが多くなります。
(ちなみに赤ワインは11~15%程度、白ワインは赤ワインよりやや低めで9~14%程度のワインが多いです。)
②(辛口ワインでも甘さの程度がありますので)辛口、ドライのタイプ?それともまろやかな甘みを感じるタイプ?
ここでいう辛口は英語で言う“hot”ではなく“dry”という意味で“甘くない”という意味です。
アルコール発酵を終えた後の残糖量が多いと甘口、少ないと辛口に分類され、辛口はすっきりとした味わいが特徴です。
見分け方は「デザートワイン」は別にして(デザートワインは極甘口です。)正直はっきりと断定できる基準がなく難しいのですが、1つのヒントはアルコール度数です。
葡萄の糖分がアルコールに変わるので、通常は残糖量の多い甘口はアルコール度数が低くなります。
逆に糖分がアルコールに変わって残糖量の少ない辛口の方がアルコール度数が高くなります。
しかし、完熟した葡萄や意図的に糖度を高めた葡萄で、しっかりとアルコール発酵をして度数が高くなった上で、残糖を感じるワインも存在します。
③酸味の強さは?
ライトボディのワインは酸度の強い冷涼な地域で生産されたものが多く、フルボディは酸度が低く、温暖な地域で生産されたものが多いです。
例えば、太陽をしっかりと浴びたカリフォルニアのリッチなシャルドネと、冷涼なフランスのシャブリで造られる軽いシャルドネ。
酸味の強さは冷涼な地域で生産されたシャブリの方が強く、味わいは全然違います。もちろん甘みや飲み心地も変わります。
綺麗な酸味はとても心地よく飲みやすいフレッシュなワインですし、酸味の少ないまろやかなコクの多いワインも素晴らしいものがあります。
④渋みの強さは?(赤ワイン)
ライトボディからフルボディになるにつれて、タンニンが強くなり、渋みを強く感じます。
お店でワインを購入する場合は、ここまでお好み伝えれば味を知っている店員さんがおすすめを勧めてくれると思いますし、私もお客様とお話する際にはここからは自分のラインナップを考えながらお話します。
ご自身でご購入される場合でも、自分のお好みを当てはめていくと、涼しい産地で造られているアルコール度数の低いワインが良いのかな?や温かい産地で造られているアルコール度数の高いワインが良いのかな?
というところまではお分かりかと思います。
アルコール度数:高い | アルコール度数:低い | |
味わい | ふくよか | すっきり |
香り | リッチ | フレッシュ |
甘み | 辛口 | 残糖を感じる |
酸味 | 弱い | 強い |
渋み | 強い | 弱い |
しかし冒頭でお伝えした通り、生産者の腕や造り方によっても全くワインの味わいは変わります。
例えば同じ産地、同じ葡萄のワインでも1000円のワインと10万円のワイン、生産の手間やコストが違うので味わいも違うのは当たり前です。
ただ10万円のワインの方が1000円のワインの100倍の美味しさがあるか?と聞かれると、味わいの好みは人それぞれですので、そうは言い切れません。
また葡萄の種類によっても味わいや香りが異なりますので、お好みの葡萄を知っていくのも自分好みのワインを見つける手段になると思います。
長くなりますのでそれぞれの葡萄の特徴をお伝えするのはまたの機会にします。
他にも香味の表現として、樽香や塩味、苦味…山ほどの表現があります。
これもまた今後一つづつご説明ができたらと思います。
最後に一つアドバイスとして、自分が今まで選ばなかったようなタイプのワインを選ぶのも実は新たな自分の好みを見つけるきっかけにもなります。
私のお客様でも1度試してみてください!といつも購入されるようなタイプとは違うものをオススメすると、とてもハマられる。といったことが度々起こります。
そして、私はワインのストーリーや生産者の想いを知って飲むワインはまた一味も二味も味わいを増してくれると思っています。
もしも当社のワインが気になってくださった方は、ワイン選びのご相談やワインについてのご質問などお気軽にご連絡ください。