今年の6月末から7月にかけて、フランス全土が記録的な猛暑に見舞われました。
フランスにはエアコン設備がほとんどありません。
40度を超える暑さの中、みんな慌てて扇風機を買いに走ったそうです。
フランスの友人たちも、口を揃えて「本当に大変だった」と言っていました。

アルザスで葡萄を育てるイゴールも、10日間続いた猛暑には流石に心配になったと話していました。
イゴールはニデールウィンドという生産者協同組合のヘッド・ワインメーカーです。

アルザスの豊かな自然の中で、畑の個性をそのままワインに映すような醸造を続けています。
その彼が「心配になった」と言葉にするほど、今年の夏は例外的なものだったのだと思います。
葡萄畑は、自然の中にあります。
どれだけ丁寧に手をかけても、気候だけはどうにもなりません。
でも雨が降り始め、葡萄畑に寒暖差が戻ってきた時に、イゴールは「やっと一安心した」と言っていました。

気候が変われば、収穫量が変わります。
葡萄の出来が変われば、醸造の方法まで考え直す必要が出てきます。
腕のある生産者は、空を見上げながらその年のワインを考えています。

私がイゴールのワインを信頼しているのは、そういう理由からでもあります。
ニデールウィンドの今年のヴィンテージが、どんな一本になるのか。
今からとても楽しみにしています。

